馬油とは?馬油のサプリメントや馬油の効果や1日の摂取量について

馬油とは?
馬油は一般的に「ばーゆ」と呼ばれていますが、地域によっては「まーゆ」と呼ばれることもあります。火傷や切り傷に効くとされ、古くから民間療法の万能薬として親しまれてきました。

 馬油とは、馬のたてがみや尾の基部の脂肪を圧搾し、抽出したものです。その歴史は古く、今からさかのぼること約4000年前、中国騎馬民族の時代から使用されていたと考えられています。日本に伝えられたのは、奈良時代であるとの説が有力ですが、証拠となる文献が残っていないため、はっきりとしたことはわかっていません。

 民間療法の万能薬として、一般的に普及したのは明治時代に入ってからといわれています。馬油は火傷、切り傷、化膿傷、肩こり、水虫、花粉症と、さまざまな病気や怪我に効くと評判になり、またたくまに広まったとか…。あまりの人気ぶりから、時代劇などでお馴染みの「ガマの油」は馬油であるという説もあります。

 このように、火傷や切り傷の治癒にとくに効果があるといわれる馬油ですが、シミやしわ、ニキビといった肌トラブルの改善や育毛にも効果があることがわかり、最近では体にやさしい美容成分として馬油を使った石鹸やシャンプーが人気を集めています。

 また馬油には血栓症予防や便秘解消の効果があることもわかっています。α-リノレン酸が多く含まれており、血中コレステロールと中性脂肪を除去してくれるので、ダイエット効果も期待できます。

高い浸透力と殺菌効果で、ニキビ予防
人の皮脂と酷似した脂肪酸構成を持つ馬油。そのため、肌に塗ると毛穴の奥深くまで浸透し、効果を発揮。また、馬油には除菌、殺菌の効果もあり、肌内部の菌の増殖を防ぐといわれています。

 馬油は動物性でありながら、不飽和脂肪酸を豊富に含んでいます。不飽和脂肪酸とは、オリーブ油などの植物性油脂に多く含まれる脂肪酸で、コレステロール沈着防止の働きを持っており、血液をサラサラにする効果があるとされています。この不飽和脂肪酸が、馬の油には約63%含まれますが、人の皮脂の不飽和脂肪酸の割合にとても近いため、人の肌に深く浸透しやすいのです。

 このように、肌の奥深くに浸透しやすいという特徴を生かし、馬油はニキビ治療にも用いられています。毛穴に皮脂がたまり、炎症を起こすことが、ニキビの原因の一つとされていますが、馬油には除菌&殺菌効果があると考えられ、高い浸透力で毛穴の奥深くまで殺菌することができます。このように、皮下組織にまで浸透した馬油は、皮膚に薄い膜を張り、細菌やブドウ球菌の侵入を防ぐとともに、細菌の繁殖を抑制!さらには、α-リノレン酸がニキビの原因となる皮脂の過剰分泌を抑え、ニキビができにくい肌へとサポート。馬油のさまざまな効果で皮脂の分泌を正常に保ち、ニキビ肌をつるすべ肌へと改善してくれるのです。

血行促進と保湿効果で、肌と髪の健康を維持
人の皮脂に近いから、肌や頭皮に素早く馴染んで深く浸透。皮下組織を刺激し、保湿性を高めるので、血行促進効果が期待できます。

 馬油には血液の循環を促す作用がありますが、これにより美肌効果が期待できるといわれています。馬油の高い栄養が肌の奥深くまで浸透し、皮下組織の細胞を刺激!これにより肌の保温性と保湿性が高まり、血行が促進されます。こうして血行がよくなることで、新陳代謝が高まり、皮膚が再生し、しわ予防につながると考えられています。

 また、馬油の成分は髪の健康や育毛にもよいとされています。実際に馬油を頭皮につけてマッサージすることで、肌に使用したときと同様の血行促進効果が得られるというデータも報告されています。頭皮などの巡りが滞り、硬くなってしまうと、さまざまなトラブルの原因となりますが、血行を正常に保つことで、白髪や抜け毛防止になるといわれています。

 抜け毛や薄毛は単に加齢によるものではなく、最近ではストレスや睡眠不足といった不規則な生活からも引き起こされることがわかっています。このように生活習慣の乱れから頭皮の血行不良をもたらすので、馬油などで定期的にマッサージを繰り返すことで、髪の老化を防ぐことができるのです。

副作用の心配はほとんどありません
ほぼ安全であるといえますが、ごくまれに、かゆみやほてりの副作用が出る場合があります。

 馬油は血行促進効果がありますので、肌などに使用した際、一時的に肌が赤くなったりほてったりすることがありますが、通常は数分ほどでおさまります。新陳代謝が活発になる影響で、角質が剥がれ落ちることがありますが、とくに問題はありません。が、まれに数十分経っても赤みが消えない、ほてりがおさまらないという場合は、ただちに使用を中止し、医者に相談する方がよいでしょう。

 今のところ、とくに重篤な副作用はないといわれています。「こうね」と呼ばれるたてがみ部分の脂肪は、九州地方では馴染みが深く、馬刺しと一緒に食べられているだけあって、よほど過剰に塗布するなどしなければ、使用には問題ないと考えられています。このように、食品として食べられるほど安全であるため、赤ちゃんの敏感なお肌にも使用できるといわれています。馬油は塗ってよし!食べてよし!体にも肌にもやさしい万能薬といえるでしょう。

 けれども、馬油は非常に酸化しやすく、温度の高い場所で保存すると劣化が早まってしまいます。劣化し、酸化すると馬油独特の悪臭を発し、使用が困難になる場合がありますので、涼しい場所(20℃以下)で保管する必要があります。万が一劣化してしまった場合は肌への使用は控えた方がいいですが、革製品の保革油としても使うことができます。



 

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