ラクトフェリンとは?
唾液や汗、羊水や血液など、体の重要な部分に存在する多機能のたんぱく質のこと。とくに母乳に多く含まれ、外部から進入する細菌やウイルスなどから体を守る働きがあります。
またラクトフェリンは牛乳や乳製品の原料となる生乳にも含まれています。しかし、熱に弱いので一般的な牛乳のように高温殺菌をした乳製品にはほとんど含まれていません。食品からラクトフェリンを摂取するにはゴーダチーズやチェダーチーズなど、熱殺菌されていないナチュラルチーズなどを選びましょう。
1939年にデンマークで発見されて以来、長年の研究でさまざまな効果が立証されていますが、とくに注目されているのが発ガン予防やピロリ菌への作用。また、歯周病への効果や貧血改善、関節炎や大腸炎の改善、内臓脂肪の低減、悪玉菌を死滅させ腸内ビフィズス菌を増殖する働きなども報告されています。さらに最近では細胞を変化させる作用も確認され、アンチエイジングへの効果も期待されています。
最先端のエイジングケア成分として注目
ラクトフェリンには加齢による老化を防ぐ効果もあるため、近頃はハリ、弾力、うるおいアップなど、確かな効果を実感できる化粧品成分としても注目されています。
アンチエイジングといえば肌のハリや弾力のもとになるコラーゲンやエラスチン、ヒアルロン酸などといった成分が有名ですが、ただ塗布するだけでは効果が出づらい…といわれています。そんな美肌成分の効果を強く後押ししてくれるのがラクトフェリン。ラクトフェリンは新陳代謝を促す皮膚線維芽細胞に働きかけることができるので、コラーゲンなどの働きを活性化!そのため、肌にラクトフェリン溶液を塗布することでコラーゲンやエラスチンなどの生成が高まり、ハリ&ツヤ改善へと導いてくれるのです。
実際に効果の違いを比較すると、ラクトフェリンを塗布するだけでコラーゲン量は160%、エラスチンは170%、ヒアルロン酸ではなんと350%もアップ!見た目年齢を大きく左右するシワへの効果も高く、1カ月でシワの深さが改善された…というデータもあります。
抗菌&歯周病菌対策や内臓脂肪の低減。発ガン抑制にも期待
ガンの原因となる大腸ポリープの成長抑止、ピロリ菌や悪玉菌を減少させるなど、医療分野での効果も期待できます。
さらに、胃ガンなど体に重篤なトラブルを引きおこすピロリ菌についても効果があることがわかっています。現在、約50%以上の人がこの菌に感染しているといわれるほど、とくにミドル世代の間で大変問題になっているピロリ菌ですが、ラクトフェリン入りヨーグルトを2カ月程度摂取すると、胃の中のピロリ菌数が減少した…というデータが発表され、ガン抑制へのさらなる効果が話題になっています。
他にも、メタボの原因といわれる内臓脂肪を低減させた・・・という実験データもあり、ヘルスケアや美容だけでなく、今後は医療分野での活用も期待されるところです。
生まれたばかりの赤ちゃんを守るため、安全性も確か
無菌状態の胎内から生まれる赤ちゃんを、さまざまな感染から守るために母乳として与えられるラクトフェリン。その安全性は高く評価されています。
1日の摂取量、上限値については明確に定めたデータはいまのところありません。どのくらい摂取すればいいのか、さまざまな研究は行われていますが、大量に摂取した場合の副作用についてはとくに問題になるものはありませんが、今までの実験などから一度に大量摂取するより、継続して毎日摂取する方が望ましいといわれています。市販のヨーグルトや機能性ミルクなどの食品では1個で100~200mg摂取できますが、効果をしっかりと得るためにはサプリメントを利用する方がいいでしょう。
安全といわれるラクトフェリンですが過剰摂取は控えた方がベター。また、牛乳たんぱく質なので、牛乳アレルギーの方は摂取を控えてください。